2025年04月13日

3月の本

春はあけぼの…
なんて雅な心地とはかけ離れた3月。
こんな本を読んでおりました。

 ・呪い禍 古道具屋 皆塵堂 - 輪渡颯介

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すっかり忘れてしまっていたこのシリーズ。
前作はこれまでの関係者が総登場で、「あれ?これでシリーズ完結?」って思ってたっけ。そして、めちゃくちゃ猫もたくさん出てきて、色んな意味で溢れかえっていましたな。
実際、前作が最後って作者は語っていたらしい(単行本で読んだので知らなかったけど)。
詳しくは文庫本あとがきで笑

古道具屋・皆塵堂は、ボロい外見もさることながら、扱う品にもひと癖あり。今回の犠牲者は誰かな?笑

では、毎度お馴染み超あらすじ~。

 

何かが起こる店 : 顔馴染みの老人の紹介で皆塵堂にやってきた麻四郎は元料理人。来て早々に壺から這い出る幽霊を見てしまう。

足音の主 : 皆塵堂の主・伊平次と古道具の買い取りに大工の作五郎の家に向かった麻四郎。誰もいないはずの二階から聞こえる足跡を気味悪がっておかみさんは出て行ったという。

正しい楽しみ方
: 今の麻四郎の周りには不思議な人物が何人もいる。
幽霊などというものはこの世にはいない、と言い切る連助と一緒に曰く付きの古道具を買い取りに行くことになった麻四郎。そんな麻四郎にある事をたきつける人物も現れ…。

開かない引き出し : 皆塵堂を訪ねてきた麻四郎の親戚・茂蔵が語ったのは、麻四郎の身に降りかかる数々の不運に関する驚くべき話だった。
一方、引き出しの開かない鏡台を引き取りに向かった麻四郎と円九郎。若い娘がいると聞いて張り切る円九郎だったが。

のろいか : 自分の不運の元となった男の家を探す麻四郎。そして、呪いの正体が明らかに。麻四郎を皆塵堂に引き合わせた老人の正体とは。麻四郎の行き着く先は。


清左衛門が言うように(笑)、今回の派遣社員(=麻四郎)は不幸度合いが薄め。
そんなこともあってか、一時仕舞いにしようと考えていたシリーズを再継続しましたの第一弾としては、インパクトに欠けるかな。楽しく読んだけど、人側も幽霊側もエピソードにもうひとひねりが欲しかったかなぁ。麻四郎を皆塵堂に行くように勧めた老人(千右衛門)の正体も登場時点でなんとなーくわかっちゃったし。ま、そこはそれほど作者的にも隠すつもりはなかったのかもだけど。

麻四郎はちょっとした不運にちょいちょい出くわすけど、巳之助ばりに言うならば、それを呪いととるか否かは本人次第。
善なる心が引き寄せる小さな災い。
でもそう考えると、今日出くわした不運も、少しばかり肯定的に捉えられるかも。
このシリーズらしく、前向きなラストでした。
おっと、この先まだ5作も控えてるぞ!


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2025年03月02日

2月の本!

なんやかんやしているうちに過ぎ去って行く2月。
いまだ読書復活の兆しは見えず…そんな中、読んでいたこの本。

 ・大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書を - 山本巧次


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すっかりお馴染み『大江戸シリーズ』第9弾。

解体新書とな?ターヘル・アナトミア!小塚原にも行ったよ。ということで。

例の秘密の行方は?と幾ばくかの期待を込め、読書開始ぃ~!

同心の鵜飼を始め、おゆう、源七が秘密裏に命を受けたのは、前長崎奉行の死についての内偵。そして同様の不審死が発生していたことが明らかに。
前奉行との関わりは?
不審死の原因は?
扇動的な巫女・蜻蛉御前の目的とは?

政治的な思惑が見え隠れする中、おゆうは遺体の腑分けを決断する。


司法解剖を江戸で!?という驚きの展開…と思いきや、タイトルにする割にはあっさり、というか、あぁ、そんなこともありましたっけ?程度なインパクト。

政治には忖度がつきものというのは現代も江戸も同じようで。

そんな都合に埋もれてしまう死者の無念を晴らすべく調査をするおゆう。
今回はなんと、瀕死の被害者に点滴だぁ!キットはもちろん宇田川が持参。って、コラコラ。いくら江戸だからって素人の医療行為はマズいっしょ。

本作ではめずらしく『熱い』宇田川を見ることが出来ます笑。

例の秘密に関しては、今回も特に進展は無しかぁ。鵜飼さん、千住の先生にライバル心を燃やしてる場合ちゃいまっせ!

ラストには、桂小五郎と小松帯刀が。薩長同盟ですか。
本編とどう繋がっているかは読んでからのお楽しみ。


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2025年02月02日

2025年1月の本

あははは…。
と、謎の乾いた笑いと共に、2025年1月の本!

  ・明智恭介の奔走 - 今村昌弘

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『屍人荘の殺人』で颯爽と登場し、そして去って行った明智恭介。

再登場を望む世間の声が大きかったのか、はたまた端役のままでは勿体ないと著者が思ったのか。

本作は、神紅大学の非公認サークル・ミステリ愛好会会長である明智恭介が主役のスピンオフ作品です。

きっと、もっと明智さんの活躍を見たい!という声が多かったのでしょう。なんせ余りにも早い本編退場だったので…。

それでは早速、超あらすじ~。
『最初でも最後でもない事件』
大学公認サークル・コスプレ研究会で起こった盗難事件。事件の解決依頼を受けた明智は、後輩でありミス愛唯一の会員である葉村と共に調査に乗り出す。程なく捕まった窃盗犯。しかし、辻褄の合わない事だらけの状況に明智たちは翻弄される。

『とある日常の謎について』
寂れた商店街にあるオンボロビルが二千万円で売却された。購入者は?目的は?
四十年近く夫婦で営んできた喫茶店。慎ましくも平凡な人生。加藤久夫は気づいていなかった。そんな自分が物語の主人公になるとは!

『泥酔肌着引き裂き事件』
引き裂かれた自分の下着、見覚えのないペットボトル。昨晩、自分の身に何が起こったのか?明智は葉村を呼びつけ、真相解明をせまる。

『宗教学試験問題漏洩事件』
教授の金庫から盗まれた試験問題の入ったUSB。疑いをかけらたのは二人の生徒。短時間で行われた犯行のからくりは

『手紙ばら撒きハイツ事件』
>とあるマンションで起こった不審な手紙ばら撒き騒動。探偵事務所でバイトをする明智は初現場に張り切る。ストーカーの仕業と思われていた事件は意外な展開へ。


例の事件前の明智さん。ひと癖もふた癖もある明智探偵の活躍?が楽しめます。そして、やっぱり振り回される葉村くん笑

面白かったのは2&5話かな。
2話はタイトル通りの日常の謎。 変わらぬ時間の流れる商店街に湧き上がったちょっとした刺激。小さな幸せ。
謎が二転三転の5話。そうきたか!の結末。ヤング明智()の活躍も見物です。

シリーズ第一短編集ってあったから、やっぱり続くんだよね?
確かに、結構重めな本編は明智さんには厳しいフィールドですよね~笑。


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