本棚に並ぶ本を5月の本 

2025年06月08日

4.5月の本 その2

4.5月の本 -- それは、あと少しのところで4月中に読み終える事が出来ず、
        翌5月へ持ち越しとなった本を指す。(書記ペディアより抜粋)

 ・三島屋変調百物語九之続 青瓜不動 ー 宮部みゆき

813bDFzf4yL._SY466_知らない間に出ていた三島屋変調百物語シリーズ。って既にその次のも出てる!
で、こちらは第9弾。
今回は、聞き手の富次郎周辺もあれやこれやと慌ただしい。そして、重大な決断を下す時が。
ってなことで、超あらすじー。

『青瓜不動』
行然坊の話していた語り手がやってきた。おちかのお産が迫った今だからこそ聞くべき話。語り手が背負っていた仏像・うりんぼ様にまつわるある女の物語。うりんぼ様に導かれた富次郎に課せられたのは、ひいてはおちかを守る重要な役目だった。

『だんだん人形』
おちかに無事赤子が生まれ、百物語も本格的に再開することとなった。富次郎と同じ年ごろの文三郎が話すのは、先祖を救ってくれた『だんだん人形』の話。その人形に秘められていたのは壮絶な人生を送った一人の少女の思いだった。

『自在の筆』
富次郎が偶然通りかかった骨董屋で見かけた元絵師。ある時、その元絵師が骨董屋に預けていた筆を盗みだし食べて事切れた。骨董屋店主が富次郎に語ったのは、『自在の筆』という恐ろしい呪いの筆と、それに魅入られた元絵師の陰惨な過去だった。話を聞いた富次郎はある決断を下す。

『針雨の里』
片腕の門二郎が話すのは自らが暮らしていた村での出来事。
風払いとう厄落としのまじないに使われる風舞さんという人形(ひとがた)に切り抜いた紙。『のふ』と呼ばれるその紙は、村を形作る源だった。門二郎が村人たちの異変に気付いたのは、奇しくも村が山の大噴火に飲み込まれる時だった。


今作も様々な人々(だけじゃないけど)のお話を堪能いたしました。 人とはかくも変化(へんげ)するものなのか、という様相をまざまざと見せつけられました。
が、おちかの赤子が無事に生まれて一安心。作中においても現実においても、時の流れを感じずにはいられません。

『青瓜不動』は、悲しい過去を持つお奈津が中心に書かれていますが、単なる暗い話に終わらず、己を叱咤しつつもがきながらも生きていく姿に、生命力の力強さを覚えます。後半の富次郎の大冒険(笑)はおちかのお産を暗示しているのですが、きゅうきゅう言ううりんぼがかわいい。いや、大変な場面なのはわかっていますが、やっぱりかわいい。

『だんだん人形』これは悲しいお話です。いつの世も虐げられるのは無辜の民。そして悪は罰せられぬまま。文三郎じゃないですが、確かに勧善懲悪とはいかずすっきりしない。でも富次郎の言う「だからおびんちゃんは(略)復讐や怨念による祟りではないお返しをした」に気付かされます。おびんの正しくあろうとする心そのものが、悪を打ち砕く力を人形に宿らせたんですね、

『自在の筆』は、筆とは思えぬ恐ろしさ。一体、どうやってあんな筆が生まれたのか。
しかも、使う本人にでは無く周りの者の命を奪ってしまうというのが一層恐ろしい。

『針雨の里』は、なんと!な展開でした。読み進めながら、何かあるなと感じてはいましたが、
まさか彼らの正体がアレだったなんて…。針雨というのも納得。彼らにとって雨はまさに針の如く。捨てられ子を見守り一人前に育てる村の人々。切ない最期にはなってしまいましたが、彼らの優しさが心に染みるお話でした。

ところで富次郎は、やっぱり絵を描くよね?って、既に十之続が出ているから、もうこの問題は解決しているんだろうな。早く次も読まねば!


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noritama594 at 15:29│Comments(0)本嫌いの読書感想文 

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